又三郎
せっかくのサクラも散ってしまいそうな5月の風
この帽子、じつは風が吹くと揺れます。
ここは宮沢賢治ゆかりの土地柄、物語にちなんだ名前が会話にたびたび登場します。
豊沢川沿いにあるバイク屋さんへ自転車の空気を入れに立ち寄った時
その日もとても風が強くて「すごい風ですね」と、自然にでてしまうほどだった。
「んだなぁ」とにこっと笑ったバイク屋のおじさんはちょっと日に灼けた職人という感じ。
店に入るとラジオが流れていて薄暗い。
バイクや自転車のパーツが無造作に置かれ、かなり年期もののほこりを被った部品がゴロゴロしている。
「西から吹くのは又三郎(風の又三郎)。東(東和)から吹くのは鉄五郎(萬鉄五郎)」
そう言っておじさんはにこっと笑う。
なんとも澄んだ瞳なもので、こちらも笑ってしまうし、ほんとうに又三郎がいるように思えてしまう。
店を出てしばらくしてから夫が
「あの店の中にブルーの初代i-Macがあったの気付いた?」と・・・
そういえばあったような、なかったような?
でも、あの薄暗い空間に初代i-Macもなかなかだし、見つけた夫もなかなかだと思う。
「又三郎さ〜ん、サクラが散ってしまいます」
by hinabitanabihi
| 2010-05-01 20:00
| 日々