ひなびたびなひ

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筆を置く時

作家が作品を作る時、どこで筆を置くか(終了とするのか)が、鑑賞するときの楽しみのひとつです。

岩手県立美術館には同県出身の偉大な彫刻科「舟越保武」さんの作品群が常設されていて、美術館を訪れる際は必ず立ち寄り、その柔らかい作品群の中に温かいものを感じて癒されるのです。
今回は隣部屋に息子さんで世界的な彫刻家「舟越 桂」さんの作品も展示されており、親子での競演?にテンションも上がりました。
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実は「舟越 桂」さんの作品を見るのは何度目かですが、こんなに近くで見る事ができたのは初めてなのです。
失礼過ぎるくらいジリジリと寄ってしまいました。




やはり、この世界観は独特です。
最近では若手で好きな彫刻家さんも増えて来ましたが、それでも「舟越 桂」さん無くしては生まれてこなかった流れに感じてしまうのです。(中身〜意味は違いますが)
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瞳をクローズアップ!

瞳は鎌倉時代の仏像彫刻に用いられた技法がとられているのだそうです。
大理石に彩色し、透明なラッカーを塗り重ねた目玉を後頭部を切断して外し、そこから裏側をくり貫いてはめ込むという技法です。
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確かに後頭部に切断した跡があります。
驚いたのは仕上げの塗装の上を削った痕跡があるところ…。

『画竜点睛』とは言いますが、全て仕上げ、最後に切断して瞳をはめているということなのでしょうか?
作者の深いこだわりを感じた瞬間でした。
こんなに接近出来るからこその発見ですね。

そして、父上の「舟越保武」さんのやさしい作品群の中でいちばん好きな作品が
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『ゴルゴダ』です。

大理石の柔らかな彫刻群の中にポツンと佇む、しかし、とても力を感じる塑像(ブロンズ)です。
脳血栓で倒れた後、右手で石を彫れなくなった氏の粘土による復帰作です。
氏はカトリック信者として多くの作品を手掛けていますが、ゴルゴダの丘で受難を受け入れるキリストの姿と、病に遭った氏自身の姿がシンクロしてしまうような深い作品です。
すべてを受け入れる大きさと深さを感じます。
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by hinabitanabihi | 2011-01-13 20:05 | つくる
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のんびり生活


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